私の幻聴は絶好調でした。頭の中で
「私はあなたの兄である、あなたが雪の中でしんでいくのを見ていた」
「ろうそくが消えた、ろうそくが消えた」
「青い物、青い物」
というような声が聞こえます。その声は実に流ちょうに、
いろいろなことをしゃべります。
自転車に乗っている30分の間、ずっと平安時代の女の人、というような声で和歌を詠んでいたりしました。
統合失調症、幻聴の声は数種類ある
声は数種類ありました。
一つは男のドラ声
二つ目は 昔の麿、といった(多分)男の甲高い声
三つ目は 女の声でした。
皆、昔の人のようなしゃべり方をします。
試しに、目の前に紙をおいて、ボールペンを持つと
自分の意思とは別に手が動いて字を書きました。
頭の中に聞こえる内容そのままに文章を書くのです。
ついでに顔が勝手に動きました。
鏡を見なくても自分がどんな表情に動いているかわかりました。
おそらく、鬼の顔のような表情をしていたと思います。
これだけの症状があって、それは霊の仕業ではなくて
統合失調症という病気の症状なのか?
と、わたしはいぶかりましたが、
霊のせいにしても何も解決しないので、いよいよ私は医者に行くことにしました。