去年の3月の末、友人のご主人が肝臓ガンで亡くなった。
具合が悪い、と言って、病院に検査に言った時は、すでにガンは末期だった。
友人のご主人のガンは去年の1月末に発見されて、3月末には亡くなった。
友人の子どもたちは、それぞれ結婚して別世帯である。
友人は、生まれて初めて、とも言える一人暮らしを始めた。
友人の住んでいるのは一戸建ての家である。
一戸建てで一人で住んでいるのは、非常に怖いという。
私も家族と死に別れて一人暮らしだが、マンション住まいだったので
住まいが怖い、と思うことはなかった。
友人が一人暮らしになってから、私と友情の質が変わった
愛する人と死に別れると、人間の心は、虚ろになる。
私は8年前から、その経験をしていたけれど
それを友人に言うことはなかった。
なぜならば、この虚ろな気持ちは経験した人でなければりかいできないから。
友人はご主人と死に別れてから、しばらくは忙しそうだった。
お葬式、お返し、墓地を買う、納骨する。
でも、そんなことは3ヶ月も経てば終わってしまう。
雑用(といっていいのか?)
が終わった後の友人の孤独は大変なものだったらしい。
よく私のところに電話を掛けてきて泣いていた。
私が家族と死に別れた経験者だったかから、話しやすかったと思う。
亡くなった人の思い出話をしながら、二人で泣いた。
そう、私は、友人のご主人がなくなるまで、友人の前で泣かなかった。
でも、今は違う、同じ傷を持ちあった者同士、素直に泣けるのだ。
こんな共感の仕方は、間違っているのかもしれない。
でも、私と友人は、昔とは違う友情で結ばれているのを感じる。